- 2021-4-19
- ディナチャリア(一日の生活法)
- ダイエット, ピッタ, カパ, 白湯, アーユルヴェーダ, ディナチャリア, 消化力, アグニ, ヴァータ, 便秘改善, 冷え性改善, 肩こり腰痛改善, 美肌効果, 白湯の作り方, 白湯を飲む時間, 白湯を飲む量, 白湯のアレンジ方法
日本では、環境の変化によって、以前よりも冷え性や便秘、肩こりに悩む方多くなっています。これらに共通する原因は全て「体の冷え」。白湯を習慣化することで改善できるかもしれません。ここでは、白湯の効果や作り方だけでなく、デトックス作用を高めるのに役立つ飲むのに適した時間と量、アレンジレシピなどを徹底解説していきます。コラムを参考に白湯の効果をより効率的に引き出し、あなたの不調みを解決していきましょう。
Contents
白湯とは
白湯とは、沸騰させた水のことです。水は私たちの体に最も多く含まれる物質で、その割合は体全体の60~70%を占めています。海は地球の70%占め、地球全体で考えても、水はとても重要な資源だと考えていいでしょう。
アーユルヴェーダと白湯の関係
白湯を飲む習慣の起源は、アーユルヴェーダと言われています。5000年以上昔から体のバランスを整えるものとして重視され、ディナチャリア(1日の理想的な過ごし方)では、白湯(さゆ)を飲むことを習慣化することが勧められてきました。冷たい水ではなく、温めた水を飲むことで、アグニ(消化の火)を点火し、物質の溶解、運搬、体温調整などの水の働きを高められるためです。白湯は一気に飲むのではなく、すするようにゆっくり飲むようにしましょう。体が胃を中心にじんわり温まり、さまざまな嬉しい作用があるのを実感するでしょう。
最強のデトックス「白湯」を飲むと得られる嬉しい効果
白湯を飲む習慣をつけることで、さまざまな嬉しい効果が得られます。ここで詳しく見ていきましょう。
消化力と代謝力アップ
白湯を飲むと、消化力と代謝力が活性化し、免疫力が高まります。
アーユルヴェーダにおいて、病気は体の生命エネルギー(ドーシャ)のバランスが崩れて、消化力・代謝力(アグニ)が低下し、体の中に未消化物(アーマ)ができることだとしています。私たちの健康を保つ上で、消化力・代謝力は最も大切だといってもいいでしょう。
白湯はこれらの働きを高め、整えてくれるため、健康の維持増進や病気の予防にとても効果的な飲み物です。
ダイエット効果
体重が気になる方は、白湯を飲んで消化力・代謝力を回復させることが、ダイエットの第一歩です。また、消化力・代謝力が落ち着いてくると、その人に適した食事の量で満足できるようになってきます。我慢しなくても体が必要としていない時は自然と食べなくなることで、健康的なダイエットに役立つでしょう。
味覚を整える
消化力と代謝力が活性化すると、体全体の未消化物もなくなり、舌もきれいなってきます。その結果、味覚が整ってくると、食物のもつ本来の味をしっかりと感じることができるようになります。
「白湯を飲み始めてから味の濃いものを食べたくなくなった」「お菓子などの甘いものが甘すぎて受けつけなくなった」「ごはんがおいしく感じられるようになった」という具体的な効果を得られます。
冷え性改善
白湯は冷え性を改善にも役立ちます。生活環境の変化から冷え性を訴える人が増えてきました。原因は、冷たい物のとり過ぎやストレスからくる自律神経の乱れからくるものです。白湯で胃を温めることで体全体を循環する体液の温度が上がり、冷え性を改善できます。
それが自律神経のバランスにもつながっていきます。
肩こり・腰痛の改善
白湯を飲むことで、肩こりや腰痛などの悩みを解決することができるともいわれています。これらの痛みの原因は、体の冷えによって血行が悪くなるためです。白湯を飲んで体を温めると、血行を改善し、肩こりや腰痛などの改善にもつながるとされています。
便秘はじめ、さまざまな不調改善効果
白湯を飲むことで、腸の調子が整い、便秘改善や風邪を予防することが可能です。他にも、シャックリ、腹部膨満、重度の消化不良、鼻炎、呼吸困難、悸肋部痛などにも効果を期待できます。
美肌効果
消化力・代謝力が改善すると老廃物が体外にスムーズに排出されます。それによって、体内の未消化物(アーマ)がなくなり、血液も綺麗になります。その結果、美肌だけでなく、美髪効果も時間できるでしょう。
白湯の作り方
ここでは、白湯に必要な道具と作り方のポイントをご紹介していいきます。
用意するもの
白湯はやかんを使って作りましょう。
電子レンジや電気ケトルなどを使うと、水(物質)が持っている本来のエネルギーを損ねてしまいます。これは、水だけでなく他の食べ物でも同じです。本来のエネルギーを最大限に活かせる調理方法を選択していきましょう。
手順
- やかんに水を入れ、強火で沸騰させる
- 沸騰したらやかんの蓋を取り、そのまま10~15分間沸かし続ける
- 火をとめて冷ます
あなたに適した沸騰時間のポイント
適した沸騰時間は、ヴァータ・ピッタ・カパの性質にも関係しています。
沸騰水が4分の3になった白湯はピッタ体質に、2分の1になった沸騰水はヴァータ体質に、4分の1になった沸騰水はカパ体質に適していると言われています。
白湯を飲む効果的な時間
ここではさらに効果を高めるために役立つ、白湯を飲むのに適した時間をご紹介していきます。
朝、起床後すぐ
歯を磨いたら、常温の水を約コップ1杯分飲みましょう。起床後すぐは、熱い液体は消化管には刺激が強すぎるので常温がおすすめ。前日の夜に沸かしておいた白湯を汲んでコップに入れ、月光のもとに一晩置いておいた常温の水が理想です。月のエネルギーを吸収した水は、浄化力がアップし、朝一番に最適!さらに、飲む量は、8アンジャリがいいと言われています。1アンジャリとは、両手で水を掬うような形(両手をくっつけて、指を曲げて作った空間)で1杯満たした量をいいます。常温の水の後は白湯で体を温めるようにしていきましょう。
食事前と食事中
白湯を飲むタイミングは、食事の始めと食事中です。食前に飲むと、消化力をやや抑えて空腹をしずまるので、体を痩せさせることにつながります。一般には、少し食物を摂取してから、水を飲むのが良いでしょう。ただし、食事が終わってからの飲水は消化力を低下させてしまいます。未消化物(アーマ)が蓄積されたり、肥満を促したりすることになるので注意が必要です。
寝る30分前
就寝の30分前に白湯を飲むことで、体が温まり、スムーズに眠りにつくことができます。睡眠の質が高まるので、寝つきが悪い方だけでなく、朝目覚めても疲れが残っている方にも効果があるでしょう。
1日で白湯を飲むオススメの量
白湯を飲む量の目安は、1日1リットルです。水には口から飲む「飲料水」、食べ物に含まれる「摂取される水」、体内で栄養素がエネルギーになる時にできる「代謝水」があります。その合計は一日約2,400ml。内訳は飲料水から約1,000ml、食事から摂取する水は約1,100ml、代謝水は約300mlです。その飲料水約1,000mlをなるべく冷たい飲料をさけて、白湯にしていくといいでしょう。
外出が多くて1ℓ飲むのが大変という方、保温のできる水筒に入れて持ち運ぶのがオススメです。作った白湯を水筒に入れて、こまめにすするように飲みましょう。
白湯が長続きするアレンジ方法
基本的に白湯はそのままで飲むのがベストですが、たまには、一味プラスしてリフレッシュしたいなんて時ありますよね。ここではそんなあなたにオススメのアレンジレシピをご紹介していきます。
白湯 プラス ジンジャーとシナモン
ジンジャーには体を温め、代謝を上げる効果があり、シナモンには、血行促進効果があるため、冷え性の方にとてもオススメです。また、これらのスパイスの香りには、食欲を抑制し、食べ過ぎを防ぐ作用があるため、食事の前に飲むとダイエット効果が高まります。
作り方は、白湯にスプーン一杯程度の生姜を入れ、シナモンをお好みの量入れるだけ。飲みにくい場合は、はちみつを加えるのもいいでしょう。
白湯 プラス レモン
白湯にレモンを加えると、腸に刺激を与えることができ、冷えやむくみ、便秘の解消に役立ちます。また、レモンに含まれるビタミンCは美肌にも効果的です。作り方もとても簡単!白湯200mlに対してレモン果汁を5滴から大さじ一杯加えてください。
朝食前に飲むのがオススメです。眠い頭もスッキリ起こしてくれるでしょう。
白湯を飲む起源は、アーユルヴェーダと言われていますが、今では日本でも「白湯ダイエット」として、生活に取り入れる方が増えてきているようです。とても簡単に作ることができ、体に嬉しい効果がある白湯。明日からぜひあなたも取り入れてみてください。
参考文献
日本アーユルヴェーダ学会訳,チャラカ全集総論篇, せせらぎ出版, 2011年.
イナムラ・ヒロエ・シャルマ訳, アシュターンガ・フリダヤム総論編, 2018年.