水・白湯(さゆ)を飲む

白湯

アーユルヴェーダには「1日の理想的なすごし方」に関する「教え」があります。これを「ディナチャリア」と呼びます。ディナチャリアは、不調をなくして健康を維持発展するために簡単にできる日常生活の方法です。ここでは白湯(さゆ)の習慣についてお話します。

水・白湯(さゆ)とは~

水は私たちの体に最も多く含まれる物質で、その割合は体全体の60~70%を占めています。地球の70%も海であり、水がいかに重要かがわかります。水は物質の溶解、運搬、体温調整などを行っていますが、その水を摂取するにあたって、アーユルヴェーダでは、温めた水、すなわち、白湯(さゆ)を飲むといいと言っています。現在、白湯ダイエットということばが流行っていますが、これはアーユルヴェーダの教えからきています。

アーユルヴェーダでは、健康は人が体調をくずし、病気になるのは、体の生命エネルギー(ドーシャ)のバランスが崩れて、消化力・代謝力(アグニ)が低下して、体の中に未消化物(アーマ)ができるからだと言っています。アーユルヴェーダの健康法では、この消化力・代謝力が最も重要な概念ですが、白湯はこの消化力を高めてくれる働きがあります。アーユルヴェーダは、もちろん水自体についても大きな作用があると言っていて、健康人にとっても病人にとっても水は不可欠です。よく冷えた水はおいしく感じられるます。但し、冷たい水をたくさん飲むことは、体を冷やしてしまってよくありません。白湯が体によいものとしてすすめられるのは、消化に良いからです。

白湯の効果

白湯で消化力・代謝力の改善

白湯を飲むと、消化力が活性化し、代謝が上がり、消化管が浄化され、味覚も整います。アーユルヴェーダの古典の中に「汚れた布に色を染めつけようとしても美しく染めることができない」という言葉があります。白湯によって体内がきれいになって、よい栄養がきちんと吸収されるようになるのです。舌もきれいになるので、食物のもつ本来の味をしっかりと感じることができるようになります。「白湯を飲み始めてから味の濃いものを食べたくなくなった」「お菓子などの甘いものが甘すぎて受けつけなくなった」「ごはんがおいしく感じられるようになった」という具体的な効果はこのためです。

白湯ダイエット

ダイエットしたい方は、消化力・代謝力を回復させることが大切なので、白湯を毎日飲むことです。アーユルヴェーダでは、それぞれの体質に応じてダイエット方法が違いますが、白湯はほとんどの方におすすめできます。消化力・代謝力が落ち着いてくると、その人に適した食事の量を欲するようになってきます。我慢しなくても体が必要としていないものを食べたくなくなってくることも、ダイエットには役立ちます。

白湯で冷え性改善

生活環境の変化から冷え性を訴える人が増えてきました。原因の1つは、冷たい物の取り過ぎて胃腸を冷やしてしまうこと。そしてもう1つはストレスからくる自律神経の乱れからくるものです。白湯で胃を温めることで、体全体を循環する体液の温度もあがり、冷え性を改善することにつながります。

白湯は痛みの改善にもなる

体が冷えると血行も悪くなり、肩凝りや腰痛の原因になります。白湯で体が温まって血行がよくなり、肩こりや腰痛などの改善にもつながるとされています。

白湯で体を温めればストレスの緩和される

ストレスなどでイライラしている気持ちは白湯によって鎮静されます。白湯を毎日飲む習慣をつけてアーユルヴェーダ的な健康生活をはじめてみてはいかがでしょうか。

白湯で体の中からきれいになり美肌を手に入れる

消化力・代謝力の改善で、体内の未消化物がなくなり、血液もきれいになります。その結果、肌も美しくなると考えられています。

その他

シャックリ、腹部膨満、便秘、急性の発熱、重度の消化不良、鼻炎、呼吸困難、悸肋部痛に有効と言われています。

白湯の作り方

白湯の作り方は、やかんに水を入れ、強火で沸騰させます。やかんの蓋を取り、そのまま10~15分間沸かし続けます。火をとめて冷まし、少しづつ時間をかけて、すするように飲んでいきます。

白湯の取り方

一日1リットル

水には口から飲む飲料水、食べ物に含まれる「摂取される水」と体内で栄養素がエネルギーになる時にできる「代謝水」があります。その合計は一日約2,400mlです。内訳は飲料水から約1,000ml、食事から摂取する水は約1,100ml、代謝水は約300mlです。その飲料水約1,000mlをなるべく冷たい飲料をさけて、白湯にしていくといいでしょう。

食事前と食事中に飲む

白湯を飲むタイミングは、食事の始めに飲水すれば、消化力をやや抑えて空腹をしずめ、体を細めることにつながります。そのため少し食物を摂取してから、水を飲むのが良いでしょう。食事が終わってからの飲水は肥満を促すことになります。

体質別

沸騰水が4分の3になった温水はピッタ体質に、2分の1になった沸騰水はヴァータ体質に、4分の1になった沸騰水はカパ体質に適していると言われています。

あなたの体質はこちらから

朝起きたら常温の水を飲む

歯を磨いたら、常温の水を約コップ1杯分飲みましょう。起床後すぐは、熱い液体は消化管には刺激が強すぎるので常温がいいでしょう。前日の夜に沸かしておいた水を汲んでコップに入れ、月光のもとに一晩置いておいた常温の水が理想です。月のエネルギーを吸収した水は、浄化力がアップし、朝一番に最適だといわれています。飲む量は、8アンジャリがいいと言われています。1アンジャリとは、両手で水を掬うような形(両手をくっつけて、指を曲げて作った空間)で1杯満たした量の水をいいます。

参考文献

日本アーユルヴェーダ学会訳,チャラカ全集総論篇, せせらぎ出版, 2011年.
イナムラ・ヒロエ・シャルマ訳, アシュターンガ・フリダヤム総論編, 2018年.

関連記事


ページ上部へ戻る