アーユルヴェーダとヨガの関係とは?アーユルヴェーダにヨガを取り入れる効果を徹底解説

アーユルヴェーダの生活にヨガを取り入れる効果とは?

新型コロナウイルス感染症対策として、今多くの人が強いられているのが「外出自粛」です。一日中家にいると運動不足にもなりますし、気分がうつっぽくなってしまいますよね。こんな時だからこそ、家の中でもできる、ヨガにチャレンジしてみてはいかがでしょう。ここではアーユルヴェーダの生活にヨガを取り入れる効果についてご紹介していきます。

アーユルヴェーダとヨガの歴史

アーユルヴェーダもヨガも発祥はインド。生命の本質について、「大宇宙(自然)と小宇宙(人間)の相似性」という思想を有する点で共通であり、幸せに生きていくための智慧として伝承されてきました。

その起源はおよそ5000年前といわれ、リシといわれる聖者によって口伝されてきたといわれています。詳しく見ていきましょう。

アーユルヴェーダの歴史

アーユルヴェーダもヨガも、古代インドのヴェーダの時代に著された4つのヴァーダ文献に起源をもっています。その4つの文献とは、「リグ・ヴェーダ」「サーマ・ヴェーダ」「ヤジュル・ヴェーダ」「アタルヴァ・ヴェーダ」です。その中でも特に、「リグ・ヴェーダ」と「アタルヴァ・ヴェーダ」の内容を軸に、生命に関する知識を集めたウパヴェーダ(付随的・応用的な知識をまとめたもの)がアーユルヴェーダといわれています。

アーユルヴェーダは、ブラフマという神様が創造し、受け継がれてきたといわれています。内科学と外科学どちらにも長けていて、中国医学や気功、ギリシャ医学、チベット医学などの多くの伝統医学に広く影響を与えてきました。

ヨガの歴史

ヨガは、ヴェーダに基づくインドの六派哲学の中のひとつ。サーンキャ学派の形而上学を理論的な基礎として、その実践方法がパタンジャリによって「ヨーガ・スートラ」としてまとめられ、解脱への実践方法として体系づけられました。

内容としては主に観想法によるヨガ、つまり静的なヨガであり、「ラージャヨーガ(=王様のヨーガ)」と呼ばれています。

「ラージャヨーガ」は、アシュタンガ・ヨーガと言われる8つの段階を経て解脱をめざします。 ヤマ(禁戒)、ニヤマ(勧戒)、アーサナ(座法)、プラーナヤーマ(呼吸法)、プラティアハーラ(一心集中)、ダラナ(凝念)、ディヤーナ(静慮)、サマーディ(三昧)の8段階です。

12世紀から13世紀には、動的なヨーガも出現しました。これが現在世界中で普及しているハタ・ヨーガです。 内容としては坐法(アーサナ)や呼吸法(プラーナヤーマ)を重視しています。

アーユルヴェーダとヨガの違いとは

長い歴史があり、切っても切り離せない関係にあるアーユルヴェーダとヨガ。ここでは、この2つの智慧の健康へのアプローチの違いをご紹介していきます。

アーユルヴェーダは身体的側面から科学的にアプローチ

アーユルヴェーダでは、3つの生命エネルギー(トリドーシャ)のバランスが心身の健康を維持していると考えています。

トリドーシャとは、ヴァータ(風のエネルギー)、ピッタ(火のネルギー)、カパ(水のエネルギー)であり、私たちの思考、感情、行動に影響を与えるエネルギーと環境がもつすべてのエネルギーをドーシャであらわすことができます。

アーユルヴェーダにおける健康とは、これらのドーシャのバランスが取れている状態。このバランスが崩れると体は不調を訴え、さまざまな病気を引き起こすといわれています。

つまり、アーユルヴェーダでの健康へのアプローチは、食事や生活習慣を通して体と精神のドーシャバランスを整えて保つということです。自分自身に目を向けて、どのドーシャが過剰になっているのか考えられれば、今の自分の体調とその変化を自覚できるようになります。それにより病気を治し、また病気を予防し、健康の維持そして増進をはかることができるのです。

ヨガはスピリチュアルな側面から健康にアプローチ

アーユルヴェーダが身体的な面から健康にアプローチをしているのに対して、ヨガは、スピリチュアル的な面から健康にアプローチしていきます。

心にも性質があり、ドーシャのバランスを左右し、体に作用を与えていると考えられているのです。この心の性質をトリグナといい、サットヴァ(純粋性)、ラジャス(動性)、タマス(惰性)の3つに分類しています。ラジャスが増えると、ヴァータとピッタが増大し、タマスが増えれば、カパが増大するという理論があり、心が体に作用するのです。これらはメンタル・ドーシャともいわれ、増加することで心に悪影響を与えます。ラジャスが増加した場合はそう状態、タマスが増加した場合はうつ状態など、心の異常が起こりやすくなりでしょう。

一方、サットヴァが増加すると、トリドーシャをバランスさせることができ、心が前向きになったり、身体にも良い影響を与えたりしてくれます。

ヨガの究極の目的は、心の作用を整え、サットヴァを増やし、悟りを得ること。それは、生きている者が束縛と迷い、様々な苦しみから抜け出し悟りへの道を実現するための心身コントロールのテクニック。ヨガは、アーサナ(姿勢)やプラーナヤーマ(呼吸法)、瞑想によってサットヴァを増やし、スピリチュアルな側面から健康にアプローチする智慧なのです。

アーユルヴェーダにヨガを取り入れる効果

自然治療法では、病気を治したり、健康を維持したりする力は、私たちの体に既に内在されているということが強調されています。つまり、最終的に心身を癒すのは、自分自身の内なる自然治癒力なのです。

身体についての1番の教科書は自分自身。ヨガを通して、最も内なる純粋な静寂を体験すれば、内なるアーユルヴェーダの智慧のつぶやきを聞くことができ、治癒力が高まり、病気を癒すことができるのです。

さらに、現在ヨガは、体を動かす健康法やダイエット、ストレス解消などの目的で行われていますが、心身を制御するテクニックだからこそ、ダイエットやストレス解消にも効果があると考えられます。 日々の生活を重視するアーユルヴェーダでは、日常的にヨーガを行うことで、心身のバランスを一層高め、自然治癒力が高い健康な身体に導いてくれるでしょう。

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