キンマの葉を噛む効果とは?タームブーラの作り方とコツを徹底解説

アーユルヴェーダのディナチャリアで古くから勧められている「キンマの葉を噛む」習慣。日本ではあまり馴染みがないため、詳しい方法や注意点を知りたい方は多いのではないでしょうか。ここでは、キンマの葉を噛むことで得られる効果や、実践する際のコツ、注意点などを詳しく解説していきます。コラムを参考に、正しい方法で実践し、健康で美しい心身を維持していきましょう。

インド・スリランカのキンマの葉を噛む習慣

コショウ科の植物でハート型のツヤのある葉で知られるキンマ。日本へは15世紀頃に伝来し、茶人を中心に香入れとして愛用されたきましたが、嗜好品として風習は伝わりませんでした。アーユルヴェーダディナチャリアでは、このキンマの葉を噛む習慣が古くから勧められています。では、キンマを噛むことでどのような健康効果を得ることができるのでしょうか。ここで詳しく見ていきましょう。

キンマの葉とは

キンマの葉のことをインドではパンpanと呼びます。新鮮なキンマの葉には、軽度な甘味と渋味があり、インド・スリランカ発祥のアーユルヴェーダでは、味覚を高め、口臭を除き、声をよくするために、新鮮な葉を噛むことが勧められてきました。

特に、ベンガル地方に自生するキンマの葉は、辛味と軽度の催下性を有するため、アーユルヴェーダでは最も優れた葉といわれています。

キンマの葉の性質は、温性であることから、ピッタを増加させ消化力・代謝力を強めることが可能です。

睡眠から目覚めた時や食後、入浴後、嘔吐後に噛むことで効果が高まるでしょう。

キンマの葉はタームブーラにして噛む

実は、キンマの葉を噛む際は、単体では噛みません。芳香性があり、辛味、苦味、塩味、甘味、渋味のあるハーブをキンマの葉の上に乗せて、折り畳んで口にいれます。これをタームブーラと呼びます。特に口腔の浄化を保ち、食欲の増進効果を高めたい場合は、ソケイ、コオウレン、ビンロウ果実、チョウジなどのハーブがオススメです。

タームブーラの性質は、使用するハーブにより異なりますが、温性で浸透作用があるため、口腔内の粘液性分泌物であるカパドーシャを中和する働きがあります。

また、口腔内の口臭の原因となる老廃物を取り除くだけでなく、腸の蠕動運動を活発にして、腸に溜まったガスの排出を促し、ヴァータドーシャを鎮静することも可能です。

一方、タームブーラは温性のため、ピッタが増加し、出血しやすくなる傾向があります。ピッタ性疾患がある場合には控えましょう。

タームブーラを作ってみよう

では、実際に試してみたいというあなたに、ここではタームブーラのコツをご紹介していきます。

タームブーラの作り方と噛み方のポイント

タームブーラの実践は以下の順に行っていきましょう。

  1. キンマの葉の先端と茎の近くの部分を切り取り、大きな脈管を取り除く
  2. 芳香性があり、辛味、苦味、塩味、甘味、渋味のあるハーブの中から好みのハーブを選び、葉の上に乗せて塗りつける
  3. タームブーラ噛みながら最初にたまる汁は有害であるため口一杯分吐き出す
  4. 2回目に口腔内に出る汁にも、糖尿病を誘発する恐れがあるので吐き出す
  5. それ以降、タームブーラを噛んで出る汁には身体にトニック効果を与えるので呑みこむ

キンマの葉の脈管は、知力に悪影響を及ぼす可能性があるのでしっかり取り除くことが大切です。

朝目覚めた時や食後などのタイミグで噛むだけでなく、疲労感がある時にも是非活用してみてください。リフレッシュ効果があり、精神を快活にすることができます。

タームブーラを噛むときの注意点

タームブーラを過剰に噛むと、身体内にピッタドーシャが増加し、口腔の乾燥を強め、痛風、出血性疾患の原因になるので注意が必要です。また、眼、歯、消化力、皮膚のツヤ、髪、体力などの働きを低下させるとも言われています。

さらに、以下の疾患がある方は控えましょう。

・出血性疾患、壊血病の場合

・外傷があるとき

・眼に疾患があるとき

・意識や感覚がないとき

・痩せていて、体力が落ちているとき

・肺結核症、喘息、空洞性肺結核症の場合

・アルコール中毒者

・胸焼け、熱発性疾患、中毒症状がある場合

・空腹時

これらの主にピッタ性疾患がある場合は、タームブーラを噛むことで悪化する可能性が高まります。

その日の体調に合わせて正しい方法で実践し、心身の健康と美しさを維持していきましょう。

参考文献

V.Bアタヴァレー『アーユルヴェーダ日常と季節の過ごし方』稲村晃江、平河出版社、2009年

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