簡単にできる!乱れた食生活の改善に役立つ6つのポイント

バランスの良い食事で心身共に健康を維持したいけれど、実際に何から始めれば良いかわからず実践できない方は多いのではないでしょうか。ここでは誰でもできる簡単な食事法のポイントをアーユルヴェーダの智慧に基づいてまとめました。コラムを参考に、乱れた食生活を整え、心身ともに健康なカラダづくりをしていきましょう。

バランスのとれた食生活の重要性

アーユルヴェーダでは、「食生活」「睡眠」「運動」が生命を支える3つの柱といわれていて、特にバランスのとれた食生活の重要性を説いています。内科学の教科書であるチャラカサンヒターでは、「正しい食事を摂ることが人間を健康にさせる唯一の方法であり、正しくない食べ物を摂ることが病気の原因になる」と言ってるほどです。

つまり、健康の維持増進や病気の予防のためには、食生活を見直し、改善することが大切になります。そうすることで、消化力が高まり、未消化物が体内に蓄積することを予防したり、体の組織に栄養を行き渡らせ、心身を強く、かつ、若返らせたりすることが可能です。

簡単にできる!食生活改善のポイント

ここでは、アーユルヴェーダの智慧に基づいた食事法をまとめました。簡単に実践できる方法なので一緒に見ていきましょう。

1.あなたに適した食事を知る

アーユルヴェーダでは、食べ物には6つの味(甘味・酸味・塩味・辛味・苦味・渋味)があり、一度の食事で全ての味を含む食事を摂ることが大切であるといわれています。また、それらの味には、6つの性質(冷性・温性・重性・軽性・油性・乾性)があり、ドーシャに影響を与えるため、その人の体質や体調に応じて食事をすることがポイントです。

ヴァータ体質、またはヴァータが増大している方は、油性、重性、温性の食べ物を多めに取り入れるといいでしょう。また、甘味、酸味、塩味の食べ物を多めに摂取することで、ドーシャのバランスを整えることが可能です。

ピッタ体質、またはピッタが増大している方は、冷性、重性、油性の食べ物を積極的に取り入れてください。冷性のギーも適しています。また、甘味、苦味、渋味のある食べ物を優先すべきです。

カパ体質、またはカパが増大している方は、熱性、軽性、乾性の食べ物を取り入れましょう。消化の早いカロリーの低いものがカパの鎮静やダイエットに効果的です。また、辛味、苦味、渋味のあるものを優先することで、体に刺激を与えることができます。

このように、あなたの体質や体調によって食べるものを変えることで、ドーシャのバランスを整え、消化力を高めることが可能です。だからといって、食事を制限してしまったり、同じものばかりを食べてしまったりするのは避けましょう。調理法などによってもドーシャへの作用が異なるので、何を食べるかよりも、どう食べるかが大切です。

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2.食べ物の性質は精神にも影響する

アーユルヴェーダでは、食べ物の種類と性質は精神にも影響を及ぼすといわれています。

食べ物の種類とは「サットヴァ食」「ラジャス食」「タマス食」のことです。

サットヴァ食とは、新鮮でみずみずしく、なめらかで油分があり、美味しい食べ物のことです。これらの食べ物は、心に落ち着きや喜び、正直さを与えます。また、集中力を高め、確固とした精神力持つことができる、理想的な食事です。

※サットヴァ食について詳しくは「アーユルヴェーダの食事法③サットヴァな食事で心身ともに健康を維持しよう」でご紹介しています。合わせてご参照ください。

ラジャス食とは、辛味、塩味、酸味があり、身体の温性と乾燥性を増大させる刺激のある食べ物のことです。こういった食事を摂取することで、怒りっぽくなったり、嫉妬深くなったりしやすくなります。ピッタ体質の方には特に相性が悪い食べ物です。逆に、心身に刺激を与えるので、カパが増大している時に、行動力ややる気を与えます。

タマス食とは、腐りかけた食べ物や乾燥した食べ物、食べ残し、不潔な食べ物などのことです。こういった食事ばかりを食べていると、心に暗黒性を増大させ思考をネガティブにしてしまいます。また、心に混乱や欲深さ、怠惰さを与える食事です。

※ラジャス食・タマス食について詳しくは「アーユルヴェーダの食事法 ④ラジャスな食事、タマスな食事」で解説しています。心が不安でいっぱいになったり、攻撃的になって言いすぎてしまったり、なにもやる気がでなかったり、誰でも経験する心の不調。もしかしたら、食事が原因かもしれません。今日あなたはなにを食べたいですか?心に浮かんだ食べ物を思い浮かべながら、コラムを読み進めていくと、今のあなたの精神状態がわかります。

3.適量(腹8分目の食事)を心がける

アーユルヴェーダの食事法において、最も重要なことは、消化力を高め未消化物を蓄積しないようにすることです。そのために、腹2/3の食事を心がけ空気の通り道を作りましょう。なぜなら、ものを燃やすときと同じく消化をする火にも空気が必要だからです。腹6分目から8分目までの食事を心がけてください。

※消化力は、体質やその日の体調によっても異なります。食べ過ぎは、食べ物が消化しきれずに体内でアーマ(毒素)となってしまいますし、食べなさ過ぎは、身体に十分な栄養を補給できません。では、あなたにとって丁度いい食事量はどのくらいなのでしょうか。「アーユルヴェーダの食事法⑨適量の食事」を参考に一緒に確かめていきましょう。

4.お腹が空いてから食べる

規則的に食事をしていると、予期反応として食前に消化液や酵素の分泌が促され、空腹を感じるようになります。これは、アグニが整った証拠です。規則的な食事が良いからといって、空腹でもないのに無理やり食事をする必要はありません。食事をスキップしたり、量を減らしたり、スパイスや白湯などで消化力を高めたりしましょう。アグニの状況に応じることが大切です。

※お腹が空いてから食べる習慣はアーマの蓄積の予防にも効果的です。「アーユルヴェーダの食事法 ⑤アーマを作らない健康維持と病気予防のために」で詳しくご紹介しているのでぜひ参考にしてください。

5.食事の環境を整える

アーユルヴェーダでは、食事環境を整え、食べることに集中することが大切であるといわれています。仕事をしながら食べたり、嫌いな人と食事をしたりすると、交感神経が働くため、消化がうまく行われず、未消化物を蓄積する原因になるので注意が必要です。

食事は、必ず座って、よく噛んでゆっくり食べてください。また、その際に、「いただきます」ということも大切です。食べ物に対する感謝の気持ちや向き合い方は、消化力の働きを高めることにつながります。

※しっかり消化を促進し、からだと心に良い影響を与える「食べ方の姿勢」については「アーユルヴェーダの食事法⑥食べ方にコツあり!健康的な食事のポイントとは」で詳しくご紹介しています。合わせてご一読ください。

6.旬のものを食べる

アーユルヴェーダでは、自分の住居から2キロメートル以内でとれるものや、季節のものを食べることを勧めています。なぜなら、旬の食べ物にはドーシャのバランスを整える働きがあるためです。たとえば、春に採れる菜の花や春菊などには苦味の性質があり、春特有のカパの過剰を抑えることができます。

※旬のものを食べる重要性やドーシャに与える効果について詳しくは「アーユルヴェーダの食事法 ⑦旬のものを食べる「身土不二」で詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

以上の大きく分けて6つのポイントがアーユルヴェーダの食事法において重要です。全てを一気に始めるのではなく、ひとつずつ取り入れられそうなことからはじめてみてはいかがでしょうか。

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