適量ってどれくらい?心と体に良い影響を与えるお酒との付き合い方

人は心配事や悲しみを酒に消したり、アルコールを飲んで幸福感を味わったりします。この傾向は世界共通したもので、アルコールは有史以来親しまれてきた飲み物です。しかし、ストレス社会と言われる現代、酒に飲まれ、体に悪影響を与えてしまう人が増加傾向にあり、問題視されています。ここでは、アルコールによる影響を理解し、上手に付き合っていく方法をアーユルヴェーダの智慧に基づいてご紹介します。

適量のお酒は体にいい?

適量のお酒は、疲れをとったり、気分を高めたりするなど、身体に良い影響を与えます。しかし、飲みすぎが続くと判断力や忍耐力、記憶力などが衰えるため注意が必要です。ここで詳しく見ていきましょう。

お酒の性質とは

アルコールには熱性、鋭性、乾燥性、微細性の性質があり、ヴァータとカパを鎮静する働きがあります。

味は、甘味、辛味、渋味が混合したものであるため、吸収が早く、消化にほとんど時間がかからないのが特徴です。飲むと急速に身体全体に浸透し、拡散されます。

これらのお酒の性質は、身体に活力や輝きを与えるオージャスとは正反対です。つまり、飲み方や飲む量などのルールを守らなければ、身体に悪影響を及ぼすだけでなく、日頃抑制していた思考が酒の影響によって露出することになるので注意しましょう。

適量のお酒とはどれくらい?

適したアルコールの摂取量はひとそれぞれ異なりますが、思考力、視力がはっきりしている間は飲酒をしても良いでしょう。適量のお酒には、感覚器官を刺激し、恐怖や悲しみ、疲労を取り除く効果があります。

しかし、この分量を超えて、多量に飲酒した場合、精神、感覚器官、運動器官、言語器官が抑制され、昏睡状態に陥る危険性もあるので注意をしてください。最終的には、恐怖や怒り、悲しみ、欲望、混乱、不眠、記憶喪失、気絶などの症状を引き起こす原因になります。

おすすめのおつまみとお酒を飲むタイミング

アルコールを飲むときは、肉や揚げ物などの食べ物をおつまみにして、友人や恋人と心楽しく晴れやかな気持ちで飲みましょう。

おすすめのお酒を飲むタイミングは食事をしながら、または食後です。お酒は消化にほとんど時間がかからず、吸収スピードが速いので、空腹の際にアルコールを飲むのは極力避けてください。

体質別にわかるお酒との上手な付き合いかた

アルコールの性質から分かるように、お酒はヴァータ体質とカパ体質の人には有益です。特にカパ体質の方とは相性が良く、食前に飲んでも構いません。ヴァータ体質の人は、飲酒の前にオイルマッサージを行い、リラックスしてから食事と一緒に飲酒するといいでしょう。

一方、アルコールの性質はピッタを増大させるため、ピッタ体質の人は、アルコールの飲用は控えてください。どうしても飲みたい場合は、食後のタイミングにしましょう。

さらに、アルコールを飲む際は、精神の状態を整えることが大切です。心の状態がサットヴァに富んでいる人のみ飲酒に向いています。なぜなら、サットヴァであれば、自分の感情や欲望を容易に抑制することができる状態だからです。

心の性質にラジャスやタマスを持つ人は、精神に対する十分な抑制力を持たず、酒に飲まれる傾向があるので控えましょう。

心をサットヴァの状態にするためには、どうすればいいのか、詳しい方法は「アーユルヴェーダの食事法③サットヴァな食事で心身ともに健康を維持しよう」で詳しくご紹介しているのでぜひ参考にしてください。

正しいお酒の飲み方

ここではお酒を飲む際のポイントをご紹介していきます。

アーユルヴェーダ的お酒の上手な飲み方

お酒を飲む際は、晴れやかなところで、心安らぐ友人や恋人と、楽しく飲みましょう。悲しい気持ちや恐怖心などがあるときは控え、一人寂しく飲むのも避けてください。

また、アルコールを飲むのに適した季節も異なります。春や冬、梅雨の時期にお酒を楽しむのはオススメですが、夏の暑い季節(ピッタの季節)に飲むと、ピッタを増大しやすくなってしまいます。夏は、しっかり涼しい環境を整えてから飲酒するように心がけましょう。

アルコールを飲んではいけないとき

アーユルヴェーダでは、以下の状態のとき、アルコールを控えるべきであるといわれています。

・肉体労働をして体力を消耗しているとき

・柑橘系などの酸味のあるものをたくさん食べたあと

・空腹状態、または満腹状態のとき

・暑い季節や暑い環境にいるとき

・消化不良のあるとき

・ピッタ性疾患があるとき

・怒りや悲しみでラジャスまたはタマスの性質が強いとき

正しい飲酒は、早死にのリスクを軽減させたり、心疾患のリスクを減らしたりするメリットがあると証明されています。お酒を飲む場合は、しっかり心と体の状態を整え、飲む環境や量に気をつけて、上手に付き合っていくことが大切です。

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