Contents
アーユルヴェーダのリトゥチャリアにおける厳冬の過ごし方とは
アーユルヴェーダでは、「理想的な一日の過ごし方」のことをディナチャリアと言い、「理想的な季節の過ごし方」をリトゥチャリアと言います。
ここでは、厳冬(冬至~)のライフスタイルについて、アーユルヴェーダの古典(チャラカ・サンヒター)から引用し考察していくので参考にしてください。
凍える寒さの冬を健康に過ごす方法とは
アーユルヴェーダでは、1月から2月をシシラ(厳冬)として捉え、適切なライフスタイルを提案しています。
厳冬の健康法~チャラカ・サンヒターからの引用~
以下は、チャラカサンヒターで説明されている、厳冬のリトゥチャリア(季節の理想的な過ごし方)です。
(チャラカから引用)
〝シシラ(厳冬)が到来したら、十分な満足が得られるまで性交を楽しむと良い。
冬が到来したら、ワータを増大させる飲食物、軽性の飲食物・制限食を避けると良い。
また強風や冷たい飲み物の摂取も避けるのが良い。
初冬と厳冬はほとんど同じである。わずかな違いといえば、後者がアーダーナ(吸収期)の初期なので、より乾燥が強く、また雲や風や雨のために寒いということである。
したがって、初冬に指示された全ての日常生活の規範は厳冬にも適用できる。
厳冬には更に風を避けられる温かい家で過ごすのが良い。
厳冬には辛味、苦味、渋み、軽性、冷性そして、ヴァータを増大させる飲食物を避けるべきである”
ヴァータが増加する晩冬にできるライフスタイルとは
初冬よりもヴァータが増大しやすい厳冬。ヴァータ体質の方は、特にバランスを崩しやすいため注意が必要です。
たくさん着込んだり、入浴したりして、体を温めておくことは当然のことながら、食事に注意をして、体内から代謝を高めることが必要になります。
消化力が高まり、食欲も増加する季節ですが、消化力に合った食事量を心がけましょう。
また、適度な運動で基礎体力をつけたり、オイルマッサージをして乾燥や疲労を緩和したりするのも大切です。こまめに白湯をとって体を温めてください。
よく温性の食べ物、といいますが、これは温度が冷たいものを避けるというだけでなく
食べ物そのものの性質として冷性を避けるということです。
たとえば、ホットコーヒー。もちろんホットですから温かいですし、飲むと一時的に
体は暖まるでしょう。しかし、もともとコーヒーは体を冷やす性質を持つ飲み物。
寒い季節に何杯もコーヒーを飲むことは、体を冷性に傾けることになりますので注意しましょう。
ヴァータを鎮静する食事とは
ここでは、ヴァータを整えるために役立つ味や調理方法をご紹介していきます。
ヴァータを整える味と性質とは
ヴァータを緩和する味(ラサ)は、甘味、酸味、塩味の3つ。そして、ヴァータを整える性質は、主に熱性、油性、重性です。
また、これらの食べ物は、「黄色」のものが多い傾向があるのは、面白いですね。
ヴァータを整える調理方法とは
調理法としては、蒸す、温める、油で炒めるなどがオススメです。油性のドレッシングで和えるのもいいでしょう。生野菜などはそもそも冷性なので、ヴァータ体質の人は控えた方がいいですが、油性のドレッシングなどで和えると冷性が緩和されます。
ヴァータを鎮静する食材とは
それでは、どのような食材がヴァータを鎮静するのでしょうか。
乳製品
牛乳は温めて(甘味以外と同時に取らない)、チーズは柔らかいタイプのものがいいでしょう。
穀物
バスマティ米、小麦、火を通したオートミールが良いです。一方、大麦、トウモロコシ、アワ、ライ麦、生のオート麦は控えてください。
甘味料
白砂糖を除く全てOK
野菜
温野菜、生で食べる場合は常温にして、油性のドレッシングをかけてください。
にんじん、かぼちゃ、ニンニク、ブロッコリー、トマト、柔らかい茄子、アスパラガスの若芽、若い白大根、カブ、サツマイモ、オクラ、さやいんげんなどはOK。
一方、青菜やセロリ、ジャガイモは、少量にしたほうがいいでしょう。もやしや生野菜は、やや控えた方がいいでしょう。
果物
甘いもの、酸っぱいもの、濃い味のもの(バナナ、アボカド、桃、さくらんぼ、マンゴー、イチジク)が適しています。
乾燥した、あっさりした、渋い味のもの(リンゴ、洋ナシ、クランベリー、ドライフルーツなど)は、できるだけ避けてください。
豆類
乾燥豆は控えましょう。レンズ豆、豆腐、ムング豆(緑の皮を取り除いたもの)は適量にしましょう。
ナッツ類
すべてのナッツ類OKです。
動物性食品
鶏肉、魚介類、七面鳥がオススメ。赤身(牛肉、羊)は避けましょう。
油
ギー、オリーブオイル、ひまわり油、マスタード油、コーン油、ココナッツ油など、すべて良いです。
ハーブと香辛料
全てのスパイスはおすすめです。特に、シナモン、コリアンダー、カルダモン、クミン、サフラン、塩、生のしょうがが、良いでしょう。
まとめると、温性、油性、重性のもので、黄色系の食べ物。味は、疲れたときに欲しくなる、甘いもの、酸っぱいもの(アミノ酸)、しょっぱいもの、というように考えるシンプルですね。
ヴァータ体質の方はもちろん、そうでない方もこれからの季節(厳冬)は、身体はヴァータに傾きがちになりますので、これらの食材を参考に取り入れてみてはいかがでしょうか。