- 2019-8-21
- リトゥチャリア(季節の過ごし方)
- 健康, 食事, リトゥチャルヤ
アーユルヴェーダでは、「理想的な一日の過ごし方」と同様に「理想的な季節の過ごし方」について
その健康法が述べられています。これをリトゥチャルヤと言います。
今日は、初冬(11月~冬至)の健康法について、アーユルヴェーダの
古典(チャラカ・サンヒター)から引用して考察してみたいと思います。
チャラカサンヒターによる初冬の健康法とは
(チャラカから引用)
“寒い時期や初冬には、体力のある者の場合、冷たい風によって取り囲まれたアグニ(消化の火)は強くなり、
多量で重性の食品さえも消化できるようになる。ところがアグニが適当な燃料(食物)を
あたえられなかった時にはアグニがラサ(体に栄養を与える液体)を吸収してしまうので、
寒い時期には冷たい性質を持つワータが増悪するのである。”
冬に向けて消化力はますますアップし、食欲が増していきます。
夏に食欲がなかった人も冬になると御餅やシチュー、肉料理など重い食事が進むようになります。
寒い季節を乗り切るためには、それだけの栄養が必要ということなのでしょう。
そもそも消化力が高まっているこの時期にダイエットなどをすると、
体が体内の栄養素を食い尽くしてしまうため、オージャスが減少し、体が冷え、不健康に痩せてしまいます。
ダイエットをするなら、体が省エネモードの夏のほうが無理がないということです。
(チャラカから引用)
“初冬には脂肪分が多い水生および沼地の動物の肉の煮汁を油と酸味と塩味を加味して摂取するとよい。
穴居獣の肉や猛獣の肉をひき肉にして調理したものも食べると良い。そのあとでマディラ酒と糖酒と蜂蜜を飲むのが良い。”
“初冬の間は、牛乳やサトウキビ製品、獣脂、油、新米、白湯を定期的に摂取していると、人は寿命を縮めない。”
初冬の季節には、ワータを鎮静させるような食生活が望ましいのです。
ワータを鎮静させる味は、甘味・酸味・塩味
ワータを鎮静させる性質は、重性、油性、熱性、量も多めで
カロリーも十分にとるべき、とされています。
具体的には、
・酸味や塩味の多い煮物など温かい食事
・生野菜などは控え、温野菜に。
・油を含む食事をする。
・ワータを鎮静するスパイス類(フェンネル、クローブ、シナモン、しょうが など)をつかって調理する。
・ホットミルクと甘いものなどを疲れた夕方などに取る。
冬の生活アドバイス
(チャラカから引用)
“オイルマッサージ、香油按摩、頭部の塗油をして、蒸し風呂や日光浴で発汗し、暖房した部屋や地下室で過ごすのが良い。
寒い季節の間は、乗り物や寝台や椅子には厚い毛布、獣皮、絹布、黄麻布、厚布類でしっかり覆ったものを用いると良い。
衣服は重くて温かいものが良く、体にはアグルを厚く塗ると良い。
床に就く時は、大きく豊満な乳房をもち、体にはアグルを塗った成熟した女性を抱きしめながら爽快かつ愛欲の気分に浸って寝ると良い。”
過ごし方についても食生活と同様、基本的にはワータ鎮静を意識すると良いでしょう。
冬はオイルマッサージの季節です。温め効果の高いオイル(ごま油ベースのハーバルオイル)を
使ってセルフマッサージをして下さい。
さらに疲労回復効果、滋養強壮作用のあるオイルが良いでしょう。※
オイルを全身に塗って温かいサウナなどで発汗するなどが理想ですが、日常的な実践法としては、
入浴前に全身にオイルを塗って、そのまま湯船(半身浴)に20分ほどつかると良いでしょう。
また、疲れやすい季節なので激しい運動は控えめにします。
睡眠時間も多めに確保するよう意識しましょう。ワータ体質の方は特に
8時間睡眠を心がけてください。
古典にもあるように、とにかく温める!特に足元は温かくすることが重要です。
靴下や湯たんぽなどで足元を温かくして、ゆっくりぐっすり長めの睡眠をとるように
心掛けましょう。
※この時期おススメのオイルは、ナーラーヤナタイラ、シッダールタタイラ、クシーラバラタイラなど。
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