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アーユルヴェーダにおける1日の過ごし方と季節の過ごし方とは
私たちの生理的・精神的機能をコントロールする生命エネルギー、ヴァータ、ピッタ、カパのことをサンスクリット語でドーシャといいます。
ドーシャを日本語に訳すと、乱れやすいもの、汚れやすいものという意味。「明日は休みだから」と遅くまで起きていたり、アルコールを飲んだりしていると、ドーシャは乱れ、悪化し、病気を引き起こす原因になります。
さらに、1日の時間や季節によって、優勢となるドーシャがあるので、私たちの体への影響も変化します。
病気を予防し、いつまでも健康な身体を維持するためには、乱れやすいドーシャのバランスを、時間帯や季節に応じて、整えることが大切です。
以下で解説していきますので、一緒に確認していきましょう。
※ドーシャについては、こちらをご覧ください。 ⇒ドーシャ
ディナチャリアとは
ディナチャリアとは、1日の理想的な過ごし方のことです。
以下の図のように、アーユルヴェーダでは、1日24時間の中で約4時間ごとにドーシャが交代し、2回転すると言われています。
各ドーシャの時間は、そのドーシャが優勢になる時間です。
つまりヴァータの時間には、ヴァータが乱れやすくなるということ。ドーシャが増えると私たちの身体はバランスを崩していきます。
それぞれ異なった性質を持っている、ヴァータ・ピッタ・カパの各ドーシャ。
アーユルヴェーダでは、各ドーシャの性質と同じ性質をとりいれると、そのドーシャは増え、反対の性質のことをすれば、そのドーシャは減るという理論があります。
この理論を用いて、生活習慣(起床や就寝、仕事など)や食事の改善、心身調整法(運動、ヨガ、呼吸法、瞑想法、入浴、オイルマッサージなど)を行い、ドーシャのバランスを取っていくことが大切です。 このように時間帯によるドーシャへの影響に合わせ、各時間にふさわしい行動をとる生活スタイルを、「ディナチャリア」といいます。
理想的な1日のライフスタイル
では、実際に、時間帯によって変化するドーシャに応じた、理想的なライフスタイルをご紹介していきます。
午前2時から6時はヴァータの時間
この時間帯は、精神が新鮮であり、周りが静かで落ち着いています。頭は瞑想状態に入りやすく、創造力が1番高まるので、何かを決断しなければいけない時に正しい判断ができる時間でもあります。
アーユルヴェーダでは、日昇の1時間半前に起きると良いといわれています。ヴァータが優勢なこの時間帯に起床すると、すっきり目覚めることができるでしょう。
午前6時から10時はカパの時間
カパが優勢になるこの時間帯に起床すると、体が重く感じ、だるさを感じやすくなってしまします。ヨガなどの軽い運動やストレッチ、軽い食事をとりながら、1日の計画を立てたり準備をしたりして体を目覚めさせるのがオススメです。
午前10時から午後2時はピッタの時間
ピッタが優勢になる午前10時から午後2時は、1日の中で消化力が1番強くなる時間帯。しっかりとした食事をとるのに適しています。
また、代謝も高まり、頭もしっかり働くので、大切な仕事や勉強はこの時間に行うのがオススメです。
午後2時から午後6時はヴァータの時間
忙しさのピークとなり、ヴァータが増加しやすいこの時間帯は、1日の疲れが出てくる頃。お菓子とハーブティーで少し休憩をとるのがオススメです。
帰宅する時間になると、1日の疲労により誰でもヴァータが増加してしまう状態。瞑想やセルフマッサージを取り入れ、心身を落ち着かせるといいでしょう。
午後6時から午後10時はカパの時間
徐々に作業や行動がペースダウンしはじめ、体が眠りの準備をしはじめます。
消化力も徐々に低下していくので、早めに軽い夕食をとってください。
適度な散歩をすることで、増加したカパを減らし、消化力や代謝力を高めることが可能です。
食後2時間後に入浴し、体が温かいうちに眠ることで、深く質の高い眠りにつけます。
午後10時から午前2時はピッタの時間
この時間に睡眠をとることで、肌や体の新陳代謝が高まり、心身の疲れを取り、修復してくれます。
一方、起きていると、頭が活性化し、根付きにくくなってしまうので注意しましょう。
夜22時には床につくことが理想的です。
リトゥチャリアとは
それぞれの季節によって、体に強い影響を与えるドーシャのエネルギーが異なります。このバランスを整えるための理想的な季節の過ごし方がリトゥチャリアです。
アーユルヴェーダでは、 春はカパ、夏はピッタが、秋から冬はヴァータが、それぞれ増えやすくなると言われています。
その季節に強いエネルギーが、人体に強く影響してくることに気をつけながら生活すると、一層健康増進につながるでしょう。
ディナチャリアと同様、その季節に増大するドーシャを鎮静する生活を心がけるようにすることがポイント。
1年間のスパンで、季節に合わせたふさわしい生活スタイルを送りましょう。
※ディナチャリアとリトゥチャリアの詳細については、こちらをお読みください。