歯磨きの正しい方法や時間とは?おすすめのアイテムで健康効果を高めるコツ

健康を維持するためには定期的にかかるべき医者は?その答えは「歯科医」。インドは歯磨き習慣の発祥地であり、アーユルヴェーダのディナチャリアにおいても、6〜12か月に一度は歯医者の診療を受けるようにといわれています。ここではそんなアーユルヴェーダにおける歯磨きの正しい智慧を徹底解説!コラムを参考に歯磨きの習慣を見直し、健康で丈夫な歯を手に入れましょう。

歯を磨くタイミング

文明の進化とともに、人類は食べるものが変化し、歯磨きが必要になりました。調理した料理は歯の凹部や割れ目に引っかかり、バクテリアが繁殖するには都合のいい媒体になります。そのため、アーユルヴェーダディナチャリアでは、食物を摂取した後は歯を磨くことが重要であるといわれてきました。

特に、でんぷんの多い食べ物や砂糖含め甘い食べ物を摂取した後は虫歯になりやすくなります。酸っぱい食べ物や極端に熱いか冷たい飲食物も同様です。

子供には甘い物を与えるのは1日1回程度に抑えて、食べた後は口をゆすぎ、直ちに歯を磨くように教えましょう。

正しい歯磨きのポイント

歯磨きの際は、歯ブラシは歯肉上でよくまわし、1本1本丁寧に磨きます。歯をよく観察しながら、下歯は下から上へ、上歯は上から下へとブラシを動かしてください。その際、歯の付け根にブラシをあると、歯根や歯肉を傷つける原因になるので注意が必要です。

また、トリファラの粉末に油を加えたものを使って、毎日歯肉をマッサージすることで、健康な歯肉と歯の状態を保つことができます。

歯磨きの後は、口腔内をしっかりゆすぎ、うがいをしてください。

アーユルヴェーダでおすすめの歯磨きアイテム

ここでは、アーユルヴェーダですすめられている効果的な歯磨きアイテムをご紹介します。

歯ブラシ

歯ブラシの起源は紀元前5世紀頃のインドにまで遡ります。インドでは、歯磨きの際、新鮮な木の小枝を使用することを戒律に定めていました。そして現在でも、特に北インドでは小枝を使用した歯磨きをする習慣が受け継がれているようです。

作り方はとても簡単で、小枝を噛み砕き吸うことによって柔らかいブラシを作成します。それを歯や歯肉に擦り付けることは、歯にとってとても良い運動です。小枝を選ぶ際は、虫に食べられていないもので、柔らかく、まっすぐに伸びたものがよいでしょう。

たとえば、アルカ、ニャグローダ、カディラ、カランジャ、アルジュナ、カトゥニンバなどの木が歯ブラシ用の小枝として使用されています。小枝は、小指くらいの太さのもので、12センチくらいの長さがベスト。味は苦味、辛味、渋味のものがオススメです。これらの木の味は、口腔内の粘性分泌物の浄化を促進してくれます。

歯磨き粉

技術が発展し、実用的な歯ブラシが開発された今、自然素材の歯磨き粉が注目されています。実際に、南インドでも、歯ブラシと自然素材の歯磨き粉の組み合わせで歯磨きをすることが普及。主にニームを使って作られた歯磨き粉の商品が商店などにもよく販売されています。

ニームは歯を白くしてくれるものとして有名なインド原産の薬木です。炎症や痛みを抑え、殺菌消毒効果があるため、家庭菜園でも天然虫除け薬として使用されています。ニームの枝から出る樹液は歯を丈夫にする効果がありますが、手に入りづらく、味も苦味と渋みが強烈。対して、ミントやクローブなどが配合された歯磨き粉は市販でも手に入りやすく、味も気にならないので、自然派の歯磨き粉を使用したい方にオススメです

歯磨きの効果

歯磨きは、歯茎部の歯石や口腔内に溜まった粘膜性分泌液、夜間舌に溜まった分泌物などを取り除き口臭を予防する効果があります。さらに歯と口腔内を清潔に保ち、食べ物に対する味覚を高めたり、食欲を増進させたりするのも歯磨きの作用です。

しかし、木の小枝を使って歯磨きをしてはいけない人というのもあります。以下のような症状があるときは控えましょう。

発熱、咳、呼吸困難、唇の疾患、舌の疾患、歯の疾患、口腔内の疾患、消化不良、便秘、嘔吐、口渇、眼の疾患、耳の疾患、顔面麻痺、心疾患、アルコール中毒など。

これらの症状が当てはまる方は、岩塩または一般用の歯磨きペーストを使用してください。

歯を丈夫にする食べ物

健康な歯を保つためには、歯磨きをすることだけではなく、食べ物から必要な栄養素を取り入れることも重要です。

適量のビタミン、カルシウム、ミネラル、タンパク質を摂取しましょう。特に、妊娠期や幼児期、思春期には、これらの栄養素を積極的に摂る必要があります。

また、丈夫な歯を維持し、病気を予防するために、ビンロウジュやとうもろこしなどの硬いものを噛むこともおすすめです。毎日黒ごまをすりつぶして、同量の冷たい水と一緒に飲むのもいいでしょう。

歯磨きをする習慣は、日本でも早くから普及し、研磨剤を使用した歯磨き粉など、商品も進化しています。しかし、それらの商品が歯にとって本当に良いものなのかは賛否両論です。自然の力を活用して歯を磨くことが歯を健康に保つために役立つということは、アーユルヴェーダにおいて現在まで何千年も間伝えられてきていることから明らかと言えるでしょう。歯の健康と改めて向き合うひとつのきっかけになれば幸いです。

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