秋の健康法【リトゥチャルヤ】

秋桜

アーユルヴェーダでは、「理想的な一日の過ごし方」と同様に「理想的な季節の過ごし方」について
その健康法が述べられています。これをリトゥチャルヤと言います。

今日は、秋の健康法について、アーユルヴェーダの
古典(チャラカ・サンヒター)から引用して考察してみたいと思います。

 

古典(チャラカ・サンヒター)による秋の健康法とは

(チャラカから引用)
“秋には、雨と寒さに順応した身体が急に太陽光の熱を受けるので、
蓄積されたピッタが増悪する。この季節には、十分な食欲があれば
甘味、軽性、わずかな苦味、ピッタを鎮静する飲食物を摂るのが良い。
秋にはラーヴァ(ウズラ)とカピンジャラ(灰色のヤマウズラ)、エーナ(レイヨウ)、
ウラブラ(ヒツジ)、シャラバ(オオジカ)、シャシャ(ウサギ)の肉、シャーリ、ヤヴァ、
ゴードゥーマを定期的に食べるのがよい。秋には苦味ギーを用い、催下法や瀉血を行い、
直射日光を避けるべきである。”

2000年以上前の書物ですので、さすがに食物の名称はぴんと来ないと思います。

時期としては、残暑から秋の深まる前くらい、
だいたい今の日本でいう9月~10月上旬くらいまでをさしているようです。
台風が一段落して、涼しい秋晴れのころ、
夏の間に体にこもったピッタが、台風(ワータ)に吹き荒らされて増悪してしまった、
というイメージでしょうか。

この時期、増悪したピッタを鎮めるためにも、ピッタ鎮静の食事法や健康法を心掛けると良いでしょう。

 

ピッタを鎮静する食生活とは

ピッタを鎮静する味は、甘味、苦味、渋味です。
ピッタを鎮静する性質は、重性、冷性、油性の食物。

本来、ピッタを鎮静する性質は重性なのですが、古典には「甘味、軽性、わずかな苦味」とありますね。
甘味や苦味は推奨しつつも、夏からの季節の変わり目に急に重いものを食べると
胃に負担がかかるのかもしれませんね。そういう意味では油も要注意です。

(チャラカから引用)
“秋には、獣脂や油、露、水生及び沼地に生息する動物の肉、灰剤、ダビ(発酵乳)、
昼寝、東風を避けるべきである。”

ピッタ鎮静を主軸にしながら、現代的な観点で、具体的な秋の食事についてアドバイスをすると、
・酸味、辛味、油(料理に使う時はできるだけギーを使用する)を控える。
・緑黄色野菜、緑茶、牛乳は積極的にとる。
・牛肉、豚肉、魚(赤身・青味)を控える。
・アルコールを控える。
などでしょうか。

「食欲の秋」「運動の秋」といわれますが、夏の疲れがまだ体にある時期ですから、
食欲や体力が戻ってきたからと言って、急には無理をせず、徐々に体を慣らしていくのがいいでしょう。

 

「月見」の風習は万国共通

月夜の散歩
またピッタが増悪しているわけですので、まだこの時期は直射日光をさけ、
月光浴で火照った体を冷ますのがいいと言われています。
月明かりに照らされて、食後に少し散歩など楽しむのもいいかもしれませんね。
この辺りは、ちょうど日本の「お月見」とも重なって、感慨深いものがあります。

(チャラカから引用)
“日中には太陽光によって暖められ、夜には月明かりによって冷やされ、時間によって熟成され、
アガスティヤ星(カノープス)によって毒を抜かれた水をハンサ・ウダカ(白鳥が好む水)という。
これは秋に得られ、清潔で純粋である。この水は入浴、飲料、全身浴として用いれば、甘露のように有益である。
秋には、季節の花々で花飾りを作り、清潔な衣装を身にまとい、宵の口に月光浴をすることを勧める。”

もし井戸水を使っていらっしゃるご家庭があれば、この時期の井戸水はまさにハンサ・ウダカ!
大変貴重なものかもしれませんね。

お白湯の作り方の頁でも紹介しましたが、
前日の夜につくったお湯を月光の元に一晩おいて翌朝飲む、という方法も今の季節にピッタリかもしれませんね。

情報:英国アーユルヴェーダカレッジ

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