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アーユルヴェーダとセサミオイル
アーユルヴェーダといえば、なんといってもセサミオイルです。アーユルヴェーダの古典では、セサミオイルは「すべてのオイルの女王様である」と言われるほど、古来から美容にいいと愛されてきました。ここでは、そんなセサミオイルの魅力をご紹介していきます。
セサミオイルとは
セサミオイルとは、食用のごま油。スーパーで簡単に購入できる、あのごま油です。まず、簡単にごま油について、説明します。ごま油の色と香りは、圧搾前に行われる「焙煎」の度合いによって異なり、 長時間煎れば煎るほど、油の色は濃く、香りが強くなります。
そして、焙煎の工程がない、生のごま油は、太白ゴマ油と呼ばれ、焙煎ごま油特有の色と香りがありません。
アーユルヴェーダで使うセサミオイルは
アーユルヴェーダのマッサージで使用するセサミオイルは、焙煎ごま油ではなく、太白ごま油を使用します。
スーパーの食品売り場で販売されているセサミオイルが、美肌美人に欠かせない美容オイルになるというわけなんです。
セルフマッサージやヘアケア、スキンケアなどの毎日のセルフケアに幅広く使えるオイルとして、注目されていす。
セサミオイルの働きと効果
セサミオイルにはエイジングケアに効果的な成分が豊富に含まれています。
元々、セサミ(ごま)は、赤道に近いインド、スリランカ、アフリカなどの国々が産地。強烈な紫外線のもとで生育可能な抗酸化物質をたくさん含んだ植物です。
オイルの主成分は、オレイン酸、リノール酸、ビタミンA、B、E、ミネラルです。さらに、ごまリグナンに代表されるリグナン、セサモリン、セサモリノール、サセミノール、セサミンが微量に含まれているのが特徴。これがセサミオイルが「すべての女王様である」と言われる所以です。
これらには細胞を守る抗酸化作用があるため、老化をおくらせる効果が期待できます。
また、豊富に含まれているビタミンEの効果は、毛細血管を拡張させ血流を促してくれる効果も。
もちろん、セサミ(=ごま)の粒にも同じ成分が含まれています。しかし、ごまは、外皮が硬くて消化が悪いため、ごま油として摂取したほうが成分の吸収率がアップ。さらに、ごまの効果は食べるよりも皮膚から浸透させたほうが、数倍吸収率が良いと言われます。
つまり、セサミオイルをマッサージに使用することで、血流が良くなり、代謝を高め、身体はポカポカに。さらに、肌のターンオーバーを促し、抗酸化作用で肌をさらに強く、若々しくしてくれます。
セサミオイルのキュアリングとは
キュアリングとは、加熱処理をすることです。
セサミオイルを加熱することで、主成分である「セサモリン」がより強力な抗酸化力のある「セサモール」に変化。
キュアリングしたセサミオイルを温めてマッサージに使用することで、肌への浸透力がアップし、保湿効果、デトックス効果も高めてくれます。
セサミオイルのキュアリングの方法
セサミオイルのキュアリング方法は諸説あり、伝統的なアーユルヴェーダの教科書では220度まで加熱すると良いと説明しているものもあります。
とは言うものの、ご家庭で220度まで加熱するのは少し不安、という方も大丈夫。ここではご家庭でも安心して行えるキュアリング方法をご紹介します。
①太白ごま油を鍋で100℃まで加熱(焦がさないように弱火で)
②100℃になったら火からおろし、自然に冷ます。冷めたら、ボトルなどに入れて保存。 ※120℃以上にならないように気をつける
キュアリングすることで、抗菌作用も高まり、オイル自体も酸化しにくく、数年間、保存が可能になるといわれています。
セサミオイルによるマッサージの効果
アーユルヴェーダの経典では、セサミオイルを使ったマッサージには次のような効果があるとしています。
・長生きできる
・若返り効果
・身体を強くする
・免疫力を高める
・精力を良くする
・記憶力アップ
・皮膚の状態を整える
セサミオイル単体でマッサージをするだけで、以上のような効果を期待できるなんてとても嬉しいですね。
スリランカやインドではこのセサミオイルをベースに煎じたハーブを煮込んだハーバルオイルを使用。用途に合わせて使い分けています。
詳しくは「本場スリランカでも代表的なマッサージオイルの種類と効果」で解説していますので是非ご参照ください。