- 2021-7-15
- ディナチャリア(一日の生活法), 症状別対処法
- 口臭予防, ほうれい線, 口腔ケア, うがい, うがいの効果, オイルプリング, 正しいうがいの方法, ガンドゥーシャ, カヴァラ, 味覚向上, 歯のホワイトニング, 歯周病予防, 免疫力アップ
皆さんは食後にしっかりと口腔ケアができていますか?アーユルヴェーダのディナチャリアでは、口の健康維持は心身の健康維持につながるためとても重要視されてきました。ここでは、意外と知らない「うがい」の正しい方法や効果をご紹介していきます。コラムを参考にさっそく今日から実践し、健康維持や美容に活かしていきましょう!
Contents
口腔ケアが健康への第一歩
アーユルヴェーダでは、食後に歯を磨き、うがいをすることが重要であるといわれています。
健康な人の口の中には、何百万もの種類の細菌が存在し、口腔内の菌が増えることによって、虫歯・歯周病、その他原因不明の病気になるリスクが高まるためです。アーユルヴェーダのディナチャリアでは、こうした菌の増殖を予防するための方法として、含嗽(がんそう→うがい)の習慣化を勧めています。
うがいの効果
ここでは、含嗽を行うことで得られる効果をご紹介していきます。
冷水または温水での含嗽効果
うがいは、冷水または、温水で行うと良いでしょう。
冷水で何度も含嗽することで、増大したカパドーシャや口渇、口腔内の不要物を取り除き浄化することができます。
一方、温水でのうがいは、カパドーシャ、食欲不振、口腔内の老廃物、歯の痛みを取り除き、歯に爽快感を与えるでしょう。
オイルプリングによる効果
さらに、アーユルヴェーダでは、ごま油やココナッツオイルなどの油剤を使用したうがい(オイルプリング)を勧めています。オイルを口に含むことで、口腔粘膜に浸透し、毒素がオイルと一緒に排出され、デトックス効果があるためです。それによって得られる効果を以下にまとめたので見ていきましょう。
・味覚の向上
・口臭予防
・歯のホワイトニング
・口腔内の浮腫の改善
・歯周病予防
・歯や歯肉の強化
・上下の顎を強化
・声に張りを与える
・食欲、消化力の向上
・口腔や喉の乾燥を改善
・歯の老化防止
・肌にハリを与える
・ほうれい線の予防
・免疫力アップ
以上のように、オイルプリングによって、歯の健康を高めるだけでなく、お肌の美容にも嬉しい効果を得ることができます。また、口腔内の健康の維持は心身の健康維持に直結するため、毎日行うことが大切です。
正しいうがいの方法
では、オイルプリングはどうやってやればいいのでしょうか。
油剤を使用したうがいには、「ガンドゥーシャ」と「ガヴァラ」という2つの方法があります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
ガンドゥーシャとは
ガンドゥーシャとは、口いっぱいに薬物(オイル)を含み、口腔内で動かすことなく保持する方法です。
眼や鼻から分泌物が流れ、口腔内にカパなどのドーシャがいっぱいになるまで行ってください。圧力によって、口腔内粘膜と歯肉にオイルが浸透し、口腔内だけでなく、全身の老廃物をデトックスことが可能です。アーユルヴェーダのディナチャリアでは、5歳以降の子供から、実践していくことを勧めています。
また、ガンドゥーシャの方法には、スナイヒカ・ガンドゥーシャ(油剤含嗽)、プラサーダナ・ガンドゥーシャ(緩和用含嗽)、サンショーダナ・ガンドゥーシャ(浄化用含嗽)、ローバナ・ガンドゥーシャ(治癒促進用含嗽)の4つの種類あります。
スナイヒカ・ガンドゥーシャ(油剤含嗽)は、油性・湿性の薬物を口腔内に含む方法で、口渇や口内のピリピリした痛みなどの、ヴァータ性疾患のある方に有効な方法です。
プラサーダナ・ガンドゥーシャ(緩和用含嗽)は、甘味・冷性の薬物を含む方法であり、皮膚の炎症や口内炎など、ピッタ性疾患を緩和します。
サンショーダナ・ガンドゥーシャ(浄化用含嗽)は、辛味、酸味、塩味、温性の薬物を口腔内に含む方法であり、口腔内の浮腫や鼻づまりなどのカパ性疾患に効果的な方法です。
ローバナ・ガンドゥーシャ(治癒促進用含嗽)は、渋味、苦味、辛味、甘味、温性の薬物を口腔内に含む方法であり、化膿性疾患や潰瘍を緩和します。
カヴァラとは
ガヴァラとは、固形物を口に含み、口の中で動かす方法です。少量のオイルを口に含み、動かすという説もあります。
5分から10分程度の間、オイルと唾液が口の中にいっぱいになるまで行ってください。はじめのうちは、意外ときつく、顎や頬が疲れる方もいるでしょう。出勤の準備や料理をしながら行うと効率よく実践できます。
ガンドゥーシやカヴァラをする際の注意点は、口腔内のオイルを排水管に捨てないようにすることです。長期間続けるとパイプが詰まったり、川を汚染したりする原因になります。ティッシュや新聞紙などに吐き出すようにすると良いでしょう。
うがいをしてはいけないとき
ここまで、うがいの効果や方法をご紹介してきましたが、アーユルヴェーダでは、含嗽をしてはいけない場合もあるといわれています。
たとえば、アルコールなどの中毒状態のときや、毒物を誤飲したとき、意識混濁しているとき、目に疾患があるときなどは控えてください。また口腔内に出血があったり、ドーシャが減少し、老廃物が正しく生成されていなかったりする場合も含嗽法を行ってはいけません。
うがいは毎日の生活の中で簡単に取り入れられる方法です。感染症拡大の影響により、予防の手段としても、うがいが習慣化した方も増えていると思います。ぜひ、明日からオイルを活用したうがいを実践し、さらに口腔環境を清潔に保っていきましょう。