- 2021-6-9
- ディナチャリア(一日の生活法), 症状別対処法
- 睡眠, セルフマッサージ, 目の健康, 目のケア, 正しい姿勢, 冷水浴, 食べ物, 目のトレーニング, 目に良い栄養素, ディーパートラータカ
生きていく上で重要な器官である目。パソコンやスマホの普及で視力の低下に悩む人が増えている今、目の健康を維持する生活習慣がさらに必要不可欠になってきました。アーユルヴェーダにおけるディナチャリアでは、そのための方法が詳しく説明されています。その中から、簡単に取り入れられるポイントを抜粋し、まとめたので、ぜひ参考にしてください。
Contents
目の健康の重要性
ここでは、目の健康の重要性について、現代医学とアーユルヴェーダの観点から解説していきます。
アーユルヴェーダにおける目の発生学
身体の中でも最も重要な器官の一つである目。発生学的には神経組織から分化していると考えられています。
アーユルヴェーダでは、目の強膜は内部の網膜を守るための一番外側の膜であり、カパの要素から発生し、父親から譲り受けたものであるといわれています。
一方、角膜と虹彩は血液から分化し、母親から譲り受けたものであり、瞳孔と視力は両親からの遺伝であるといわれていきました。
さらに細かく、パンチャマハーブータ(5つの基本要素)を用いて解説すると、眼球を動かす筋肉は土要素に起源し、血液は火の要素から源を発したものです。また、虹彩と脈絡膜は風要素、強膜は水要素、そして涙腺は空要素が起源であるといわれています。
覚醒時の目は、多くに視覚情報を受取る活動をしていますが、風やホコリなどの環境因子に直接さらされていることもあり、健康状態を維持するためには、最大限の注意を払うことが不可欠です。
子供の知能と目の関係
現代医学では、網膜は脳より派生しているとしています。通常、目は4歳までに完全な成長の75パーセントが出来上がり、6歳でほぼ100パーセントに達します。
一般的に近視の子供は、知的レベルが高い傾向があるのではないかという研究がされています。近視の子供たちは、遠くの対象物を明確に見ることができないので、読書や書くこと、塗り絵などに没頭する傾向があり、それが必然的に知的成長を刺激しているからです。しかし、それが目の負担となり、近視の進行を継続させる深刻な問題でもあります。
さらに最近は、スマホやパソコン、ゲームの普及で、成人後に近視になったり、近視が進行し続けたりする人が増加している傾向です。毎日の生活の中で、目にできるだけ負担をかけないようにしていきましょう。
目のケアに役立つ生活習慣
ここでは日常生活の中で簡単にできる目のケア方法をご紹介していきます。
読書や勉強時の姿勢に気をつける
本を読むときは必ず椅子に座り、姿勢を正すようにしましょう。
寝そべって読書をすると、予期せぬ手の動きによって本と目の距離がしばしば変化してしまいます。そのため、テーブルと椅子は固定したものがよく、本と目の距離は30〜50センチほど離すようにしてください。
また、部屋の照明は明るすぎず暗すぎないようにしましょう。だいたい、30〜40ワットくらいの蛍光灯が理想です。
間欠的に目を閉じる
仕事や読書で継続的に目を使う時は、1時間ごとに目を10分間休ませましょう。その間は、一度目を閉じて瞑想をしたり、遠くの対象物に焦点を合わせてみたりするのがオススメです。
映画やテレビを見るときの環境を整える
過剰な映画やテレビの観覧は避けましょう。テレビを見る際は部屋を暗くしてはいけません。スクリーンの大きさは中くらいか大きいものを選んでください。適切な観覧距離はテレビの高さの約3倍です。眼精疲労を起こさない距離を保ちましょう。
ごま油で目のセルフマッサージをする
ごま油によるセルフマッサージは目に有益です。目のマッサージの後に足裏のマッサージも行うと、さらに効果が高まります。アーユルヴェーダによると、足掌の神経が、間接的に視神経に影響し、刺激を与えるといわれています。
冷水浴をする
目には、光刺激を視神経のシグナルに変換をもたらす役割をになっているアーローチャカピッタが存在しています。そのため、アーユルヴェーダでは、頭は常に冷水で洗い、首から下は温水を使用すべきであるといわれています。また、ピッタの鎮静にはローズーウォーターも効果的です。ローズーウォーターを浸したガーゼで目を覆って休ませるのもいいでしょう。
適切な睡眠をとる
適度な睡眠は、目の疲れだけでなく、脳の休息にも役立ちます。夜更かしをしたり、昼寝をしたりする習慣は睡眠のリズムを狂わせるだけでなく、目にも負担がかかるので控えましょう。できるだけ、規則正しい睡眠周期を維持することが大切です。
タバコをやめる
タバコは視力の低下のリスクがあるため、目の健康を維持するためには禁煙は鉄則です。タバコには、たくさんの化学物質が含まれているため、吸収することで体内の細胞や血管にダメージを与えます。また、タバコの煙を吸うことで体内には活性酸素が発生するので、慢性的な栄養不足や細胞の損傷や老化を進行させる原因にもなります。
目の健康を保つ食べ物
アーユルヴェーダに置いて、目をよくしたい人は、常に古い大麦や小麦、シャーリ米、シャスティカ米、スズメノヒエ、緑豆などを摂取すると良いといわれています。また、カパとピッタの抑制に役立つギーを使って調理した野菜や乾燥地帯に住む動物の肉、ざくろ、砂糖、岩塩、トリファラ、ぶどうもオススメです。以下に詳しくまとめました。ぜひ参考にしてください。
・穀類:米、小麦
・豆類:ヤエナリ、チャヴリ豆、エンドウ豆、クラッタ
・肉:乾燥地帯に生息する動物及び鳥の肉。爬虫類の肉が特に有益。
・香辛料:クミン種子、チョウジ、サフラン、コエンドロ、コショウなど
・乳製品:牛乳、母乳、象乳
・ギー:牛のギー、クリーム、バター
・ドライフルーツ:干しぶどう、ナツメヤシ、イチジク
・フルーツ:ザクロ、バナナ、ぶどう、マンゴー、パパイヤ、みかん、桃、甘ライム、りんご、レモン
・野菜:なす、乾大根、人参、トマト、キャベツ、レンコン、ジャガイモ、玉ねぎ
・砂糖:はちみつ、さとうきび
簡単にできる眼のトレーニング方法
ここでは目の健康を保つために役立つトレーニング方法をご紹介します。
遠くの対象物を凝視するトレーニング方法
日没または日の出時に、遠くの緑の丘または樹に目の焦点をおきましょう。頭を動かさず、右側と左側の目で交互に、2〜3分ずつ、遠くの対処物を見ます。夜には、星や月を2〜3分間眺めるといいです。
近くの対象物を凝視するトレーニング方法
燃えているローソクをテーブルに固定し、真っ直ぐの姿勢で椅子に座りましょう。ローソクと体の距離は約18センチ離してください。ろうそくが消えないように、窓やドアは全て閉め、扇風機などが当たらないようにしましょう。
30秒間、まばたきをせずに炎を見つめます。見つめる時間を徐々に5〜10分に伸ばしていってください。この方法をディーパートラータカと言います。
以上2つのトレーニング方法をご紹介いたしました。目の健康は生きていく上でとても大切です。皆さんも、生活の中に目のケアをする時間を取り入れ、実践していきましょう!