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症状によって異なる、頭痛の正しい対処法と予防方法のご紹介
仕事や人間関係などのストレス、過労、不眠、PCの見すぎ、 雨天や季節の変わり目など、頭痛の原因はたくさんあります。大きな病気の前触れなどの頭痛ではなく、上記のような理由の頭痛であれば、予防や対策をとることが可能です。コラムを参考に、あなたの頭痛のタイプを理解し、正しい方法で対処できるようになりましょう。
片頭痛と緊張型頭痛の症状と原因の違い
慢性的な頭痛には、基本的に、片頭痛と緊張型頭痛があり、原因や対処法はさまざま。誤った対策は逆効果となり、痛みをより悪化させる原因になります。まずは以下で、症状と原因の違いを見ていきましょう。
片頭痛の症状と原因
片頭痛は、こめかみから目にかけて、頭の片側あるいは両側がズキズキと脈打つような痛みを生じる頭痛のことです。月に1〜2度、多い場合は週に1〜2度起こることもあります。吐き気を催したり、気圧、音、光に敏感になりやすくなったりするため、ひどくなると生活に支障が出るでしょう。
片頭痛は、エストロゲンなどのホルモンバランスの変化により、頭の血管が拡張したり、神経に炎症が起こったりすることが原因。そのため、女性の方が悩む傾向があるのが特徴です。自律神経の乱れや睡眠不足、ストレスなども要因の一つ。アルコールやカフェインの過剰摂取にも注意しましょう。
緊張型頭痛の症状と原因
緊張型頭痛とは、筋肉の緊張によって、神経を圧迫し、後頭部から首筋にかけて起こる頭痛のことです。長時間同じ姿勢をとることによる血流の悪化や、環境の変化による精神的ストレスによって、神経や筋肉が緊張してしまうことが原因と考えられます。
片頭痛のように吐き気はないけれど、首や肩のコリが伴う場合が多いのが特徴です。1日の終わりの夕方に痛みを感じる方も多くいます。
片頭痛の予防や対処法
片頭痛の場合は、血管を広げる入浴や運動は避け、体を休ませるようにしましょう。温めるのではなく冷やすことが効果的です。また、睡眠不足はもちろん、寝すぎや、週末の寝溜めも厳禁。規則正しい睡眠サイクルを心がけ、ストレスをためないことが大切です。
片頭痛に効果的な食べ物
ホルモンバランスの乱れによって生じやすい片頭痛。マグネシウムやビタミンB2の摂取はもちろん、神経伝達物質セロトニンを増やすことも、頭痛改善につながるといわれています。
セロトニンの原料になるのはトリプトファン。トリプトファンを多く含むオススメの食材は牛乳、アーモンド、チーズ、バナナなどです。
一方、アルコールやナトリウムなど、血管拡張作用のある物質を多く含む食べ物は避けましょう。
緊張型頭痛の予防や対処法
緊張型頭痛の場合、冷やすのではなく、首や肩周りなどを温めることが大切です。入浴やストレッチを行い、緊張した筋肉をほぐすのもいいでしょう。ストレス解消ができる趣味を持つのもオススメです。
緊張型頭痛に効果的な食べ物
筋肉や神経の緊張により、流れが悪くなった血液の循環を良くするには、ビタミンEが効果的です。サバ、イワシ、アーモンド、アボカド、かぼちゃ、ほうれん草などの食材は、ビタミンEを多く含んでいます。
また、 同じく血液循環を改善し、血栓ができるのも予防してくれるのが エイコサペンタエン酸(EPA) などの不飽和脂肪酸。カツオ、サバ、イワシ、アジなどに多く含まれている物質です。
これらの食材を、普段から少しずつ摂るようにすると良いでしょう。
アーユルヴェーダから分かる頭痛の対処法
アーユルヴェーダにおいても、片頭痛や緊張型頭痛の原因は異なります。過剰になっているドーシャを明らかにし、適切な処置を行いましょう。
片頭痛はピッタドーシャの増加が原因
アーユルヴェーダでは、「痛み」の症状は、ヴァータの悪化を意味しますが、片頭痛の原因から考えてみると、ピッタドーシャも関与しています。ホルモンバランスの乱れや血管の拡張で起こる偏頭痛は、熱の属性を持つピッタが過剰になっていることが原因です。
ピッタのバランスを整えるためには、痛みや熱を感じる場所は冷やすことが大切。甘味・苦味・渋味のある食べ物や野菜を中心に取り入れるのも良いでしょう。赤身のお肉やアルコール、刺激のある食べ物、入浴は控えてください。
緊張型頭痛はヴァータドーシャの増加が原因
疲れのたまりやすい夕方に発症しやすい緊張型頭痛は、冷えや動きの属性を持つヴァータの過剰が原因です。
ヴァータのバランスを整えるためには、入浴や軽い運動で体を温めたり、ストレッチで緊張をほぐしたりすることが大切。また、しっかり睡眠をとり体も心も休ませることを心がけましょう。
甘味・酸味・塩味のある食べ物や、スープなどの温かい食べ物を中心に取り入れてください。さらに、疲れた頭の筋肉にダイレクトにアプローチするならば、アーユルヴェーダのオイルを使用したヘッドマッサージがおすすめです。
緊張型頭痛に効果的、オイルを使ったヘッドマッサージの方法
頭痛のある時は、頭を触らないことが基本的な考え方です。ただし、後頭部の緊張の原因になっている、頭の付け根や首、肩などを、アーユルヴェーダの薬草オイル、「ナーラーヤナオイル」で優しくほぐすことが、頭痛の緩和につながります。ベースオイルはセサミオイルで、ヴァータとピッタを鎮静させる働きがあります。
湯船に浸かりながら、5~15分くらいかけて、ゆったりリラックスして行うのもいいでしょう。
オイルで少し、頭が重たく感じるかもしれませんが、頭の奥の方はすっきりした感覚を味わえるでしょう。 頭痛の他、身体に出る関節や肩、腰などの痛み全般にも効果的です。 (捻挫など、炎症が起きているピッタの痛みは少し異なります。)
頭が重い痛みを感じる場合はカパドーシャの増加が原因
片頭痛や緊張型頭痛ではなく、寝すぎや一日家にいてじっとしている時に頭が重い痛みを感じる方も多いのではないでしょうか。これは、カパの過剰が原因であると考えられます。
早起きやヨガなどの軽い運動、入浴で体を温める習慣などをつけることで、カパを鎮静し頭がすっきりするでしょう。ジンジャーや柑橘系のアロマの香りも効果的です。
頭が痛くなると、なにもやる気が起きなくなりますよね。 我慢せず、痛みどめを飲むことも大事ですが、薬ばかりには頼りたくないもの。
そこで、普段から食事や睡眠、マッサージで予防を心がけて、頭痛のどんより気分を追い払いましょう。また、これらのケアは更年期の症状緩和にも役立ちます。更年期障害の症状に悩んでいる方はぜひ「更年期の原因や症状とは?緩和に役立つアーユルヴェーダのケア方法~Dr. D&D」を合わせてご参照ください。
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