- 2021-7-15
- ディナチャリア(一日の生活法), リトゥチャリア(季節の過ごし方)
- ピッタ, カパ, ヴァータ, ドーシャ, 太陽, 月, 熱, 風, 霧, 煙, 暗闇, 雨, 自然環境, 自然環境が心と身体に与える影響
暑い季節は食欲が低下したり、満月の日には不眠に悩んだりするように、自然環境の変化は私たちの心と身体に大きな影響を与えています。ここでは、その影響と対策をアーユルヴェーダの智慧に基づいて徹底解説!コラムを参考に、環境の変化に負けずに毎日をイキイキ過ごす術を身につけましょう。
Contents
環境の変化が心と身体に与える影響と対策
ここではアーユルヴェーダの智慧をもとに、太陽、熱、風、雨、霧、煙、暗闇、月光が心身のエネルギーに与える影響と対策について詳しくご紹介していきます。
太陽が心身に与える影響
太陽は、太陽系の中で最大の天体であり、自分で光る星(恒星)の中では、地球に1番近い星です。光と熱がとても強いため、私たちは、太陽にさらされるとピッタドーシャが増大します。ピッタの増加は、発汗や口渇、肉体的疲労、倦怠感、日焼け、熱感(ヒリヒリする感覚)、めまい、意識混濁、出血性疾患などの症状を引き起こす原因になるため、日陰を歩いたり、日傘や帽子を常備したりすることはとても大切です。
また、特に夏の季節に直射日光を浴びると、アグニのバランスが崩れ、下痢をしやすくなったり、食欲不振になったりしやすくなります。体内に熱を溜め込まないよう、ココナッツオイルでマッサージをしたり、海や山などの自然に触れたりして、増大したピッタを鎮静させましょう。
※夏の暑さに負けないために、自然のエネルギーを生かしてピッタのバランスを整える過ごし方については「もう夏の暑さに負けない!ピッタの季節の理想的な過ごし方」で詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
熱が心身に与える影響
熱や火は、冷性を有するヴァータドーシャとカパドーシャを鎮静します。そのため、これらのドーシャが増加している時や季節に熱や火にさらされることで、不快感や震え、筋肉硬直などの症状を緩和することが可能です。
また、熱はアグニの働きを高めるため、体内の未消化物を減らすこともできます。一方、ピッタドーシャを増加させるため、出血や炎症などに気をつけましょう。
※アグニの働きについては、「アーユルヴェーダの食事法⑩消化の準備〜アグニを高める成分、消化酵素、スパイスとは〜」で詳しくご紹介しています。ぜひ合わせてご一読ください。
風が心身に与える影響
地球上の大気の流れを意味する風は、夏や秋のピッタドーシャが増加しやすい季節に効果的です。扇風機の風や自然のそよ風で、体内に溜まった熱を冷ましましょう。自然の風がない場合、うちわや扇子、扇などを使用しても構いません。これらは、熱感や身体疲労、倦怠感、過剰な発汗、筋肉硬直、口渇、日焼けによる皮膚の熱感などを取り除くことができます。ただし、睡眠中に扇風機の風を過度に当たるのは避けてください。皮膚を乾燥させ、筋肉を硬直させてしまうためです。
また、強風に当たるのも注意が必要です。乾燥を促進し、肌の黒ずみの原因になります。特に、高齢者は健康維持のために風に当たることは避けましょう。
雨が心身に与える影響
雨は体を冷やし、カパドーシャを増大させるため、体力や性欲、倦怠感など高めます。また、眠気を催し、寝すぎてしまうこともあるでしょう。
さらに、激しい豪雨は、カパドーシャだけでなく、ヴァータドーシャも増加させ、精神的に、恐怖心や混乱を誘発します。
梅雨や台風の多い季節は、精神的に不安定になりやすいので、瞑想や入浴、セルフマッサージなどを取り入れ、心に落ち着きを取り戻しましょう。
霧が心身に与える影響
霧とは、大気中の水蒸気が凝結し、無数の微小な水滴となって浮遊する現象のことです。アーユルヴェーダでは霧はあまり良くない性質があり、ヴァータドーシャとカパドーシャを増加させるといわれています。
煙が心身に与える影響
煙は気体中に固体または液体の微粒子が浮遊している状態のことであり、有害な微粒子を含んでいることがほとんどです。そのため、ヴァータドーシャ、ピッタドーシャ、カパドーシャすべてのエネルギーを増大させ、頭重感などの症状を引き起こします。また、煙は目に非常に有害です。煙のある環境はできるだけ避けるように心がけましょう。
暗闇が心身に与える影響
暗闇の中では、私たちの方向感覚はしばし失われてしまいます。暗闇の環境では、カパドーシャが増大し、恐怖心や精神的疲労感、混乱、性欲などを高めます。幻覚を見ることもあるでしょう。一方、ピッタドーシャを鎮静するため、リラックスすることができ、寝つきを良くすることが可能です。
月光が心身に与える影響
月の光には、緩和作用や冷却作用があり、特に、増大したピッタドーシャを鎮静する働きがあります。ネガティブな感情を浄化し、心を落ち着かせる効果がるため、寝る前に月光を眺めることで、睡眠の質を高めることが可能です。また熱感を取り除き、口渇を鎖める作用があります。
かの絶世の美女クレオパトラがその美しい美貌を保つために月光を浴びていたとい説があるほど、月の光には特別な力があると言われています。月の満ち欠けに合わせて女性の身体と心も変化するため、その変化に合わせたアプローチをしていくことが大切です。
たとえば、新月から上弦の月を経て、満月にかけての14日間は、やる気がみなぎり、フットワークが軽くなります。新しいことをはじめたり、積極的に友好関係を広め、新しいインスピレーションを吸収したりするのに適した期間です。
そして、満月の時期はこれまでの努力の成果をまとめ、アウトプットをしていきましょう。疲れが出たり、寝つきが悪くなったりする時期でもあるので、無理せずにしっかり休息することが大切です。
満月から下弦の月、新月にかけては、新月から満月までの日々の成果を振り返ったり、心安らぐ友人や恋人と過ごしたりして、次の新たな出発に向けて心を落ち着かせ穏やかに過ごしましょう。
このように、月の満ち欠けに合わせて生活を送ることで月のパワーを取り入れながらイキイキと生活することができるといわれています。
ここまで見てきたように、太陽や熱、風、雨、霧、煙、暗闇、月光など、私たちの生活を取り巻く自然環境は、心身にさまざまな影響を与えています。そのため、体調や体質だけでなく、天気や季節、場所などの状況によって心と体のエネルギーバランスを整えることが大切です。