サンキャ哲学(インド哲学における世界の成り立ち)

サンキャ哲学

アーユルヴェーダの考え方のベースには、インドのサンキャ哲学があります。サンキャ哲学では、世界はプルシャとプラクリティの2つからなるとしています。プルシャとは、時間も空間もなく、また初めも終わりも実体もない、“純粋な意識(存在)”です。一方、プラクリティは原初の物質エネルギーであり、行動を生み出す力となります。プルシャとプラクリティが合わさることで、生成の活動が始まります。プルシャはそこにあるもの、“存在”として、この生成の活動を“見て”います。ただ“見る”だけです。プラクリティによって、エネルギーは実体、つまり物質になっていきますが、このプラクリティから発生するエネルギーや物質は、すべてプルシャの中にしか存在できません。

プルシャとプラクリティからは、まずマハットとよばれる“普遍知性”が生まれます。このマハットは、意識のうちにアハンカーラを生み出します。アハンカーラとは、切れ目のない宇宙の中で、どこからどこまでを「自分」とするか、を認識させるものです。アハンカーラは人間だけでなく、万物に宿ります。

アハンカーラからは、サットヴァ(純性)、ラジャス(動性)、タマス(鈍性)という3つのエネルギーが生成されます。これは、主に人間の心に働きかけるエネルギーといわれ、この3つをまとめて「トリグナ」と呼びます。一方、サットヴァでは5つの感覚【聴覚・触覚・視覚・味覚・嗅覚】と5つの運動器官の潜在能力【話す(口)・つかむ(手)・動く(足)・生む(性器)・排泄する(肛門)】が構成されます。タマスでは、5つの小さな元素【音・触・色・味・香】が構成され、この小さな元素から5大元素である【空・風・火・水・地】が生まれます。ラジャスはサットヴァとタマスの世界を結びつける運動の力です。

さて、世界の万物は、上記の5大元素【空・風・火・水・地】から生じます。ワータ・ピッタ・カパのエネルギーも、この5大元素が2つずつ組み合わさってできあがります。人間の身体もこの5大元素からできあがります。つまり人間は宇宙を構成している物質と同じ物質で構成されているといえるのです。ここから、サンキャ哲学では「人間(小さな宇宙)と宇宙(大きな宇宙)は同じである」と考えます。「人間と宇宙は同じである」ことを、サンスクリット語では「ローカ・プルシャ・サーンミャ」といいます。これは、インド哲学やアーユルヴェーダの根底に流れる、重要な考え方です。

なお、5大元素、ワータ・ピッタ・カパについては、こちらのページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

情報:英国アーユルヴェーダカレッジ

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